「起業すらならこれは知っておこう」について

By | September 24, 2019

カテゴリ「起業すらならこれは知っておこう」について。

これを書こうと思ったきっかけはここしばらく緩やかに存在した。職務上様々な方からビジネス的・技術的なアドバイスを求められることが増えている。 その返答の宛先が大企業であれば私のアドバイスや経験談はあくまで「こんな尖った野蛮な発想もあるらしい」という、ある種珍獣を見るような『良い刺激』で終えて構わないし、むしろ大多数の方にとってはそうであって欲しい。 企業体というものは資本主義社会の象徴のようなもので、そこでは大数の効果が「抑止力」「調整」、時に「忖度」などの形として働くことによって「まともな状態」がキープされている。極端に合理的な社会もないし、極端に偏った状態もない。おかげさまで。 その中で、特殊な考えに取り憑かれたり、ある人物の主義主張に極端に信奉したり、全力で千尋の谷を飛び降りたり、半ば強迫観念のレベルで世界を前に進めようとする人間は、あくまで少数であるべきだ、と大っぴらに言うことができる。めでたしめでたし。

しかし、事情が違う「空間」が存在する。

それはスタートアップであったり、第二創業期の中堅企業であったり、はたまた劇的な再建を目指す中小企業であるかも知れない。名前や立場など重要ではない。つまりは「異常な空気感」が共有されている企業体のことだ。 特にスタートアップの領域において私の経験の共有やアドバイスは十分に刺さることが多いように思う。特にアーリーステージ。有難いことだ。したがってできる限りそのような人たち(大抵金もないし時間もない)にきちんと時間を割けるように自らの職務を割り振っていきたいと常日頃思っている。
しかし、同じような活動に従事している方々は恐らく感じたことが二度三度ではないだろう。 このセリフを吐き捨てそうになることがあるだろう。

「そのくらいは勉強してから来ようぜ」

そして「同じような活動に従事している方々」は恐らく皆同様にその言葉を毎度呑み込むのだ。 なぜならそれは「それ自体が彼らにとっては重要なアドバイスだから」だ。 勉強してから物事を進めるタイプの人間はスタートアップの領域ではあまり出会うことがない。皆ある程度無謀な自己肯定感と、はたまた使命感と高揚感をないまぜにした混合燃料を燃やして燃やして進んでいる。それはベテランからすれば無鉄砲に映り、ドンキホーテを良しとするロマンチストにとっては憧れそのものだろう。しかし起業家たちはそれを至って合理的な行動として行なっていることが多いように思う。
なぜなら「困難や失敗は全てをスピードアップするブースター」だからだ。
ということでここではクドクドと体系的な知識を植えつけることを目的とはせず、必要な知識をサクッと身に着けるまさにブースターとなり得る機能を構築したい。
基本的にここに示すことは私が多少なりのアドバイスやサポートを行なってきた過程でぶつかった出来事、「おいおい、そこでそうなっちゃってるわけ、それはまずかろう」とこぼした(こぼしてない)、などのケーススタディをベースに実践的にピックアップしていきたいと思う。

こんな散文がどこかの誰かの役に立てば幸いだ。


> Author Profile
九頭龍 雄一郎 Yuichiro “kuz” Kuzuryu
エンジニア/経営者
日本の大企業での新事業立ち上げからシリコンバレーのスタートアップまで多種多様な千尋の谷に落ちた経験を持つ。
株式会社ClayTech CEO, Founder
株式会社EYS-STYLE 取締役
株式会社144Lab 取締役
東北大学客員教授
その他複数社の技術顧問、アドバイザーを務める
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